ブログ

着物好きにおすすめの小説・高田郁著 あきない世傳 金と銀

  • ツイートする
  • シェアする
  • はてなブックマーク

こんにちは。
大阪京橋のマンツーマン個人着付け教室きものたまよりの堤千草です。

今日は「着物好きにおすすめの小説・高田郁著 あきない世傳 金と銀」と題してブログを綴ります。

江戸時代の江戸と大阪を舞台に紆余曲折あって呉服商の当主となった主人公の幸が仲間とともに色んな着物や帯、浴衣などを生み出しながら奮闘する物語です。

(今回は藍染めがメインのお話だったので藍染の絞りの帯を背景に撮影しました)

このあきない世傳の前にみをつくし料理帖という同じ江戸時代を舞台にした同じ高田郁さんの小説があり、それも逆境につぐ逆境でそれを主人公が仲間とともに乗り越えるというお話でしたが、あきない世傳の方がもっと過酷さが増しているような感じです。

呉服屋さんのお話なので着物のこと、帯のこと、浴衣のことなどとにかく着物好きには読んでいてとても楽しい本ですし、勉強になる本だと思います(もちろん着物好きでない方にも楽しんで読んでいただける本だとおもいます。ベストセラーですしね!)

とにかく面白いお話なのですが、この小説を読むとそれに出てくる着物やら帯やら浴衣が欲しくなるんですよ!

今回のメインは藍染めの浴衣のお話。

染の技法が全巻に詳しく載っていたのですが、多分それを読む限りでは「長板中形」といわれる技法だと思います。

長板中形染は表と裏をずれないように型付けしないといけないのでかなり高度な技が必要で、明治時代に新たに生み出された注染という大量生産がしやすい技法に押されて、今では長板中形染で作られた浴衣はかなり希少なものなのだそうです。

希少とはいえ、ヤフオクであるかな~と思って調べてみましたら数点反物を発見いたしました!

こちらです。

(画像はヤフオクからお借りしました)

こちらは松の柄の反物ですね。

長板中形の中形とは柄の大きさのことで大柄と小紋柄の中間ということで中形とついているようなのですが、柄の大きさは十分小さくかなり繊細な技量が必要そうだなと思います。

またこういうものもございました。

(画像はヤフオクからお借りしました)

こちらもなかなか手の込んだ柄ですね!

このお写真でもわかるように長板中形染は無形文化財に登録されています。

なんだか納得ですね。

主人公が営む呉服屋のお名前は五十鈴屋というので、着物や帯の柄のモチーフに鈴を使うことが多いんです。

今回も鈴と鈴の緒をモチーフにした柄の浴衣を作っていたので、猛烈に鈴柄の藍染の浴衣が欲しくなりました。

でもなかなかないんですよね。

最近放送が開始された大河ドラマの青天を衝けでも主人公の渋沢栄一の生家は藍を作っているお家だったので、ドラマの中でも藍玉を作っている場面や藍染めの着物が干されている場面、そして登場人物はよく藍染めの着物をお召しです。

なのでこれからは藍染めが特に流行るのではないかな~と勝手に予想しています。

流行りに乗っかって藍染めの反物がたくさん生産されて、なおかつ鈴柄の反物がでないかな~なんて妄想しています。

大阪京橋のマンツーマン個人着付け教室きものたまより
堤千草
https://tamayori.com/

大阪着物着付け教室講師堤千草

堤 千草

20代前半の頃に実家の箪笥に眠っている祖母や母の着物を着てみたいと思ったのがきっかけで着付けを習い始めました。
毎日着物で生活してみたい、わかりやすい着付けを伝えていきたいと思い、着付け講師の道へ。

マンツーマンならではの、その方に合わせたペースのレッスンで、短期間で綺麗に着物を着ることができるようになるとお生徒さんから好評をいただいております。

プロフィール詳細

  • ツイートする
  • シェアする
  • はてなブックマーク

関連記事

おすすめレッスン